RSウイルスワクチン(妊婦さん用)
RSウイルスワクチン(アブリスボ注)
妊婦さん用のRSウイルスワクチン、アブリスボ注が使用できるようになりました。24~36週に接種すると、出生後の赤ちゃんの感染を予防したり、重症化を予防できるようになります。ご希望の妊婦さんは申込書を提出し、次回健診時にワクチンをご用意いたします。費用は34000円です。ご希望の妊婦さんは24週頃にお申し出ください。
RSウイルスは世界中に広く分布しており、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%がRSウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルス感染症によるとされています。症状は感冒様症状から下気道感染に至るまで様々ですが、特に生後6か月未満で感染すると重症化することが示されています。また、合併症として無呼吸、急性脳症などがあり、後遺症として反復性喘鳴(気管支喘息)があります1)2)。日本では、毎年約12万~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、約4分の1(約3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません3)。RSウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない場合も多く(基礎疾患のない正期産児等)、また、月齢別の入院発生数は、生後1~2か月時点でピークとなるため、生後早期から予防策が必要とされています3)4)。こうした罹患率と疾病負荷の高さから、RSウイルスワクチンは、国による開発優先度の高いワクチンに指定され、承認が待ち望まれてきました5)。
RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)